2019年12月19日

石ころ物語 エピローグ 石ころ

119. 玄関の置物1
ある施設の玄関に置かれた自慢の石ころだ。なぜここにあるのか、どうしてこんな石ころが出来るのか不思議でならない。世界の鉱物の半分が日本にあるそうだ。それだけ日本は多様な地質に富んだ国といえる。しかし、関心は低い。
119玄関の置物

120. 玄関の置物2
でき方は単純そうに見えるがわからない。しかし、よくこんなものを見つけたものである。地面から掘り出し、磨き上げたものだろう。自慢する訳だ。そういう技能を持った民族とも言える。
120玄関の置物2

121. 勾玉(まがたま)
ヒスイだ。海岸で拾った石ころを磨くとこんなものへと変身する。美しい石ころにはトゲがあるから注意しよう。
121勾玉

122. 人工水晶
これ水晶と言っても信じない。30年近く前に知り合いからいただいた宝物だ。地下資源の枯渇に危機感を持ったユネスコはジオパークをスタートさせた。ところが、管理費がかさむ割には観光客が来ないとジオパークから撤退したところもある。ジオパークの意味を浸透させるには時間がかかりそうである。
122人工水晶1

123. 人工水晶2
人工水晶はすでに日常のクォーツ時計、ライター・着火マンなどで使われている。圧をかけると磁場が生じ電子が流れる性質を活用したものだ。2003年には15万気圧・2000℃・数十分で人工ダイヤモンドの生成に成功している。地球内部は高圧と高熱の世界。最も解明されていない場所である。
123人工水晶2

124. 何だろう?
「河原で拾った石ころ」と言って見せ、「ダイヤモンドだよ」というと、誰もがジョークだと思うものである。地下150kmから音速に匹敵する速さで急上昇した特殊の場所のマグマが固結するとダイヤモンドができるそうだ。日本でも石ころの中に微量なものが見つかったという。軍事費を削り地球内部の研究に振り向けると、世界に先駆けて飛躍的にその謎が解けるはずである。
124何だろう

125. 石ころと共に
宇和島の石ころと人間の見事な共生である。道端に転がる石を集め、一つ一つに役割を持たせている。「持続可能な手段による経済の発展」の見本である。「石ころ」を馬鹿にしてはいけない。
125石ころと共に

(おわり)

posted by 忍ちゃん at 18:06| Comment(0) | 石ころ物語

2019年11月27日

石ころ物語 街なかの石ころ2

108. 見事な日高石

隣町・室蘭市の市営運動公園の巨大な石ころ群である。陸上競技場兼サッカー場がある。市営だからこの石ころは税金で買われたものだ。
108. 見事な日高石

109. 歌碑は安山岩

わが町、北海道伊達市ではどうか。記念事業に建てられた歌碑の一つである。コンクリートの上に建てられた。水分量の多いコンクリートは劣化が速い。
109. 歌碑は安山岩

110. 健在な安山岩

1988年建立だそうだ。建ってまだ30年、年数は浅い。安山岩はまだ健在である。施工業者の銘がある?
110. 健在な安山岩

111. 開基100年の記念碑

仙台・亘理藩主は、1868年に、新政権から移住の許可をもらった。戊辰戦争では、仙台藩は反政府軍である。新政権から許可を取るは相当の苦労があったようだ。「蝦夷地を守る、自費で行く」との理由で交渉したそうだ。亘理藩主・伊達邦成(くにしげ)が住んだ場所に碑を立てた。
111. 開基100年の記念碑

112. 本郷新・作

今から50年前、彫刻家・本郷新が「躍進」と名付けた作品である。今年が150年記念の年で色々な行事が行われているが、一般市民は生活に追われ、それどころではない。
112. 本郷新・作

113. 黒雲母花崗岩

「躍進」は、黒光りする黒雲母花崗岩にはめられている。この9月、人口3万4千人を切った。人口減少はさらに加速する。「躍進」は過去のものになりそうだ。
113. 黒雲母花崗岩

114. カオリナイト化

枠は桃色の花崗岩‐桃色花崗岩である。地下深くの花崗岩が、酸性の熱水作用で鉱物が桃色に変質したとのこと。カオリナイト化というそうだ。カオリンという言葉を聞いたことがあるが、関係ありそうだ。
114. カオリナイト化

115. 有珠山溶岩

明治9年1876年、三條実美・太政大臣がこの地に巡視にやってきた。その時に植えたアカマツである。置いてある石ころはその時のものとは思えないが、有珠山の溶岩である。
115. 有珠山溶岩

116. 酸化した赤い溶岩

三條実美は、幕末の尊王攘夷・討幕派の中心人物。戊辰戦争で敗北した仙台藩は、62万石を28万石へと減封された。そのあおりを受け、亘理藩は58石5斗。

溶岩の鉄分が酸化しのだろうか。無造作に置かれた石ころも、時とともに変化している。
116. 酸化した赤い溶岩

117. 飛び石と玉砂利

このお宅の赤味を帯びた飛び石は、有珠山の安山岩ではなく、数百万年前に噴火した紋別岳の安山岩のようだ。板状節理のこの色の特徴に似ている。

玉砂利は、石ころを加工して作られるが、白い石ころは大理石だろうか?
117. 飛び石と玉砂利

118. こんな玉砂利もある

玉砂利も色とりどりである。白だけではなく、黒、茶、青もある、砂利を敷くと、風で運ばれた砂が砂利の隙間に入り、雨によって下に浸み込んでいく。植物のタネが飛んできても発芽できるような環境ではない。草刈の手が省ける。
118. こんな玉砂利もある

(つづく)

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2019年10月24日

石ころ物語〜街なかの石ころ1

96. 石ころだらけの街

子どもは、アスファルトでない道が好きらしい。それもそうだ。玄関を出ると、すぐ、アスファルト。雨が降ると低い所へと流れ、あっという間に渇くから便利だが、温暖化、大雨が、アスファルトの道を勢いよく下り、街を襲う。
96有珠外輪山と少年

97. 絨毯の道

洞爺湖・中島のトレッキングコース。大人だって気持ちがいい。都会の中学生らがこの絨毯道を歩いた。「なんて気持ちがいいんだろう!」とトレッキングを楽しんだ。ただそれだけで満足したから不思議である。
97中島のトレッキングコース

98. 洞爺湖ビジターセンター

その洞爺湖の湖畔南に、入館料無料の洞爺湖ビジターセンターがある。建物は環境省の支援によって建設されたが、管理は洞爺湖町に任された。有珠山の噴火を学ぶ「火山科学館」があり、有料ではあるが、ドキュメント映画と、展示物、火山体験室があり、興味のある人にとっては離れられないスペースである。二階に自然保護官事務所がある。
98洞爺湖ビジターセンター

99. 札幌軟石1

実はこの建物に札幌軟石(溶結凝灰岩)が使われている。支笏湖の大噴火(日本の5本指に入る 4万年前)で起きた火砕流の高温部がこの岩をつくった。ブロックとして成形する時、一部が石ころとなる。あるものは敷石、あるものはコンクリートの材料として利用される。
99札幌軟石1

100. 札幌軟石2

軟石のアップ写真だ。軽石や鉱物が見える。栃木県の大谷石は、火山が噴出した時の火山灰や軽石が、海中で堆積し固まったものだ(新生代第三紀)。軟らかく加工しやすいので広く利用された。
100札幌軟石2

101. ブロック塀

街なかを歩くと札幌軟石のようなブロック塀がある。あれ?と思うが、実はコンクリートに、採石場の粉を混ぜてつくったものだ。“石”と錯覚する。コンクリートは水分が含まれているので劣化しやすく、やがて苔が付く。
101ブロック塀

102. どこの石ころ?

玄関前の入り口に、コンクリートにはめられた大きな石ころがあった。これは自然の石だろうか、変成岩だろうか。人間は自然の中で生きた記憶がDNAに刻まれているように思える。
102玄関前の入り口に

103. 公園の土を盛った土台塀に、102と同じような石ころがはめられていた。驚きだ。結構、値段が高いのではと、ついつい思ったものである。
103石ころの塀

104. 石ころを楽しむ

このお宅も石ころで楽しんでいる。入口と道路の境近くにあり、来訪者へのおもてなしとみる。手前の石ころが気になった。
104石ころを楽しむ

105. 有珠山の石ころ

この石ころは有珠山の石ころ、安山岩だ。石の文化はこの地方独特のもので、日本中、その土地々々に息づいている。
105有珠山の石ころ

106. 歩道から丸見えの庭の石ころ

このお宅は、自慢の石ころを庭に入れている。しかも道沿いだ。この地方では「日高石」などと呼んでいる。日高といえば「ユネスコ世界ジオパーク」、橄欖岩で有名だ。マントルからできた石だから、このお宅はそれを誇りにしているのだろう、脱帽!
106日高石

107. 砂利石

一変、砂利石。安山岩だ。安山岩はマントルじゃない、プレートの潜り込みだ。日本のどこにでもあるから、例え固有の植物が咲いていても珍しくないからなのかな。日高の山はこの山にしか咲かない花、固有種があり「アポイ岳高山植物群落」として国の特別天然記念物になった。見に行く人も多い。安山岩の悲しさよ。
107砂利石 安山岩

posted by 忍ちゃん at 18:10| Comment(0) | 石ころ物語

2019年09月25日

石ころ物語〜川原の石ころ2

76. 石ころ拾い

わずか100mの範囲の川原で石ころ拾いを楽しんだ。興味は色とりどりの石ころだ。専門家は、色よりも結晶が重要だと言うが、初心者には色が魅力で夢中にさせる。
76色が魅力

77. 白色系1

これは軽石だ。マグマに含まれる発泡性のガスが、圧力が小さい地表に達すると発泡し(地球内部は圧力が大きい)、それが筋となって残る。この筋は、発泡のガスが激しく噴出したことを示している。
77 白色系1

78. 白色系2

同じ白色でも硬い。発色は陶芸の釉薬で考えると分かりやすいと思い本を読んだ。すると含有量のレシピがあった。「焼成温度1060℃〜1080℃ 二珪酸鉛70%、長石20%、酸化亜鉛5%、カオリン5%(ケイ酸アルミニュウムを含んだ粘土)、酸化錫少し」。複雑で単純ではなさそうだ。
78白色系2

79. 赤系1

赤系は多い。地球は鉄の惑星と言われているように、それを裏付けている。この石ころには白い小石?結晶?が付いていた。固まる時に巻き込んだのか、それとも単独で結晶化したのか。
79赤系1

80. 赤系2

石ころを割ったその断面だ。層になっている。しかもその層も細かく変化していて単純ではない。固結温度のせいか、圧力のせいか、含まれる物質のせいか。
80赤系2

81. 赤系3

円礫を割ってみた。表面の色と内部では異なっているし、内部には穴が開いていた。固結すると収縮するが、周りが固結するのが速く空洞ができたのだろう。
81赤系3

82. 赤系4

鮮やかな赤と、緑・青系の鮮やかさに驚く。石になる固まり方が6通りある。@マグマが固結した石ころ、A湖や海底に大小の岩石のかけらが堆積して圧縮された石ころ、B海底に生物の遺骸が堆積した石ころ、C海水中にある成分が化学的に結晶化・沈殿してできた石ころ、Dこれらの石ころが大きな圧力を受けて変化した石ころ、Eあるいは、熱で変化した石ころ。
82赤系3

83. 赤系5

硬い。これも青系が混じっている。
83赤系5

84. 赤系6

同じ赤系でも、硬さが違う。石の硬さは「硬度」で表すが、なぜ、硬い石ころと柔らかい石ころがあるのか、あまり説明されない。石ころはみな硬いと思っているが、そうではないのだが。
84 赤系6

85. 赤系7

鮮やかな赤だ。白い筋が入っている。「脈」というそうだ。マグマが冷えて収縮すると、同じ鉱物ごとに集まって割れ目ができる。そこに、他の色々な成分が入り固まってできたものだ。磨いたら宝石のように輝くかもしれない。
85赤系7

86. 赤系8

鮮やかではないが赤い。これは赤系の中で最も硬そうだ。白い色の鉱物が混じっている。
86 赤色系Aレッドチャート

87. 赤系9

赤系というよりは桃色だが、キラキラと光が反射して綺麗だ。微細な鉱物の劈開(へきかい)面が反射しているからだ。
87桃色系008-1 5cm

88. 青系1

鉱物の結晶が大きく、層になっている。割れやすい。ゆっくり固まったようだ。釉薬のブルー系では、コバルトやマンガンを微量に入れると発色するという。しかし自然界は、そんな単純ではないはずだ。
88青系1

89. 青系2

鮮やかな青だ。硬そうだ。結晶は大きい。これもゆっくり固まったのだろう。
89青系2

90. 青系3

鉱物の結晶が大きい。結晶と結晶の間に水が入りやすく、だから風化しやすいのだろう。
90青系3

91. 黒系1

風化し、溝ができている。
91黒系1

92. 黒系2

黒系1よりも鉱物が大きい。これは黒系1よりも深い所でゆっくり固まったことが分かる。
92黒系2

93. 緑系1

風化した緑色の石ころを見つけた。青系以上に見つけるのは難しい。
93緑系1

94. 緑系2

磨かれた緑色の穴の開いた石ころがあった。3cmと小さい。緑色の石基に小さい石ころのようなものも見える。穴は、そんな石ころがとれてできたようにも見える。固まる時に巻き込んだのだろうか。
94緑系2

95. 緑系2

よく見るとミリ単位の水晶があったのだ。この石ころは、地下深い場所でゆっくり時間をかけて固まったのだろう。
95緑系2

posted by 忍ちゃん at 17:55| Comment(0) | 石ころ物語

2019年08月28日

石ころ物語〜川原の石ころ1

63. 川原の石ころ

河口から約4キロの川原。たくさんの石ころがある。石ころ一つ一つには物語があるはずだが、簡単に語れないのが石ころだ。なぜなら、いつどこで生まれたのかが分からないからだ。
63河原の石ころ

64. 球状の石ころ

川の水で石ころの角がとれ、それが球状になった石ころはそう多くない。歩きまわりながら見つけるのに苦労する。
64球状の石ころ

65. 同じ球状の石ころを見つけた

その中で、球状で同じ色、同じつぶつぶの石ころを見つけたのだ。いつどこで生まれたかはわからないが、同じ運命を辿ったことは間違いないだろう。
65球状の石ころ

66. 球

球状の石ころで、直径が同じような球の石ころは、ほぼ、ないとみていい。そんな中で、直径4cmの石ころを見つけた。「上流から下流に流される過程で角がとれ・・・」球状になると言うが、球状になるには別なメカニズムがあるような気がする。
66球

67. 見事なグラデーション

歪んでいない円さがある石ころで、表面はザラザラだが、白黒などの見事なグラデーションの石ころである。表面に浅い溝がついていた。石ころが小さくなっていく前兆なのだろうか。
67グラデーション

68. 溝の謎

溝がある石ころで、その溝が滑らかに彫られたものを見つけた。彫られた不思議、ここにも物語があるに違いない。
68溝の謎

69. 不思議な模様

川原を歩くと、目に留まる白色系の石ころに出合う。軽いが、軽石でもなく縞々が入った、壊れやすい石ころだ。人は流紋岩だと片づけるが、どんな物語があるのだろう。
69不思議な模様

70. 平たい石ころ

別なところにも、白系の石ころがあったが、これは、海岸で見つけた石ころに比較し、茶色が入ったものだ。縞々が層になっている。まるで樹の年輪のようである。どこかの火山から噴出した火山灰が堆積したことから生まれたのであろうか。
70平たい石

71. 崩れやすい

大きい石ころが小さい石ころへと変化する様子を見るようだ。硬い石ころにもこのような風化があるのだろうか。
71壊れやすい

72. どうして?

石ころ自体に、二つの色が隣り合っているではないか。川原の石ころの困難な謎解きの一つだ。
72二つの色

73. 石ころに水を付ける

石ころに水を付けてみると鮮やかになると言われてやってみた。太陽の光が明るく、フィールドではうまくゆかないものだ。
73水を付ける

74. 鉄の色

赤い石ころを見つけた。上流に徳舜瞥炭鉱があった。褐鉄の含有量50%の良質の鉱石を採掘した。その関係だとすると、この石ころは間違いなく上流からやってきたことになる。上流部の地質史を辿らなければならない。
74鉄の色

75. 徳舜瞥の石ころ

その鉱山があった徳舜瞥山5合目の沢で拾った石ころだ。川原の石ころと比べて非常に重い。金属が入っているからかもしれない。
75徳舜瞥の石

(つづく)

posted by 忍ちゃん at 13:21| Comment(0) | 石ころ物語