2020年06月17日

河口と海岸をめぐって〜1

1. パンデミック下、「昭和新山の生き物」シリーズは一時中断することに致しました。

その昭和新山の横を流れる「長流川(オサル川)」を6km下ると河口に出る。その河口と海岸をめぐるシリーズをお送りいたします。
1北海道伊達市長流川 海岸

全長が1000kmの大河の水は、3分の1しか海に到達しないとの報告がある。長流川は全長50km、途中に水力発電用、農業用、工場用取水口があり、また、北湯沢温泉、蟠渓・弁景温泉、壮瞥温泉、洞爺湖水の排出路もあって、純粋に50キロ先の水が海に到達するのがどれほどか、測るのは難しいかもしれない。

2. 2004年、伊達市内の有志7人が集まり、「森と水と人ネットワーク」が結成された(2011年に法人化)。目標『持続可能な地域社会の創造』を掲げた。私もその一人。まず、市内の実情を知るために河口を訪れた。

そこで目にしたのが海に伸びる砂州である。わずかな幅の先端に、恐る恐る近づいた。
2長流川 海に伸びる砂州

3. 煙突は伊達火力発電所(煙突高さ200m 70万kw)。勇払原野に厚真火力発電所(苫東工業地帯用)が出来るまでは道内最大級の発電所。今は、冬の電力供給の役割を担っている。北海道ブラックアウトが起きた時、急きょ運転を始めた。白い建物群は終末処理場。水洗化事業で建てられた。
3伊達火力発電所

4. 河口直前に生えるヨシである。「オサル」はアイヌ語で、ヲサルベツorヲサラベツ(川尻に沢や湿地がある)、オサルヘツorオシャルヘツ(葦のある川)、オ・サル・ウン・ペッ(川尻に・葦・ある)など諸説ある。
4長流川河口の葦

5. 護岸にもヨシが生えている。イギリスの女性探検家イザベラ・バード(47歳)は、1878年(明治11年)の初夏〜晩夏にかけ、北海道太平洋側平取〜函館を旅している。モンベツで有珠火山の噴煙を眺め、この長流川を馬で渡っている。その日は、ウスコタン(現伊達市有珠町)で泊まったが、その夕暮れを『私が日本で見た中で最も美しい絵のような景色であった。有珠湾は、美と平和の夢の国である。』と絶賛していた。
5イザベラ・バードが渡った長流川

6. 河口から1kmに、有珠山噴火避難用の橋・新長流川橋が架けられた(2005年3月全長約200m)。国道37号の渋滞緩和の迂回道路としてもその役割を果たしている。
6有珠山噴火避難用の橋

7. 新長流川橋から、干潮時に河口方面を眺めたもの。火力発電所に重油を送るパイプを通す青い橋がある。室蘭の製油所から20km以上のパイプラインである。

上流で大雨が降っても(30時間148mm、1時間で80mmを記録)、河口近くが広いために氾濫することはなかった。
7干潮時に河口方面

8. しかし、最近は中流域で氾濫するようになった。そんな時、河口にはおびただしい巨大な流木が打ち上げられる。不思議なことに、カラスやカモメ、時には、キタキツネ、エゾシカも集まるのだ。やがてこれらの“ゴミ”は、砂の中に埋もれていくのである。
8氾濫の砂浜

9. 市内有志による「森と水と人ネットワーク」が呼びかけた「観察会」である。『長流川公園化構想』を展望していた。
9長流川公園化構想

(つづく)

posted by 忍ちゃん at 19:02| Comment(0) | 河口と海岸をめぐって
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