2019年01月08日

石ころ物語1 プロローグ

1. ヤナギ観察で川沿いに行くと、ある時、ボール状の石を見つけました。手に取り驚きました。ズシリと来たのです。もしかしたら・・・鉄が含まれる?と思いました。あたりを見回すとボール状の色の異なる石があるのに気がつきました。専門家は「円礫」と言うそうです(以下 円礫)。
1円礫

2. この川は、北海道伊達市に流れ込む長流川です(おさるがわ 2級河川)。全長50kmで、千歳市との境の山のふところに源があります。

重いと感じた円礫は河口から4km。下流と言ってもいいのですが、円礫の大きさから中流域ではないかと思います。

長流川とは、アイヌ語の「オ・サ?・ぺッ」(川尻に葦原がある川)で、これに漢字をあてはめました。アイヌ民族の保護に努めていた証です。先人の研究者に拍手です。
2北海道伊達市に流れ込む長流川

3. 角のある石ころです。しかも、赤く色づいています。実は線路の石ころ。地元の岩石を粉砕して詰めたのでしょう。安山岩です。粉砕できやすく、また、長持ちするので重宝がられています。その点で有珠山の安山岩は、今も、室蘭港から釜石、八戸、久慈、陸奥、気仙沼などに積み出されています。
3有珠山の安山岩

4.   9月6日午前、北海道全域でブラックアウトという停電に見舞われました。ところがこの踏切では、遮断機が下りたまま、停電なのに警報音が鳴り続け、頭に来た住民たちがJRに電話し、数時間後にやっと鳴り止んだのでした。

実はこの線路は、街をうろつくエゾシカの絶好のけもの道となり、時々人間を惑わせている。何とものどかな北国の隠れた石ころ物語である。
4線路の石ころ

5.   墓石は石ころとは言えませんが石の一つ。都会の墓苑のすごい賑わい。そしてアスファルトの中にも、コンクリートの中にも小さな石ころが混じり、私たちはそれに気づかず歩いている。昔々人類は、石を道具にすることに驚き、今度は、粘土を石に出来たことに感激したのです。そして今、私たちの周りは石ころだらけとなりましたが、なぜか石には関心がない。不思議です。
5墓石

(つづく)

posted by 忍ちゃん at 18:11| Comment(0) | 自然・空・海・陸

2018年12月12日

ヤナギ物語エピローグ ヤナギを見続けて

164. 「ネコヤナギだ」がスタート

2014年4月29日、有珠山の「山開き」の時、女性グループとすれ違いざま、「ネコヤナギだ」「綺麗だね」と言って通過したその場所にヤナギがあった。

「エッ、こんなところにもネコヤナギが?」と疑ったことがこのシリーズのスタートとなった。
164 有珠山 バッコヤナギ

165. ネコヤナギとの出会い

花の名前を覚えるのが苦手な私がなぜ疑ったのか、もう一つの理由があった。以前、「ヤナギを見分けるのは素人には難しい」を耳にしていたからだ。ネコヤナギをこの目で見付けようと好奇心に火が付いたのである。
165 ネコヤナギの開花

166. 葉が決め手

やがてネコヤナギに辿りついた。長流川約3キロ半の周辺でわずか1株(♂)。葉が決め手だった。そしてネコヤナギの写真とそれにまつわる物語ができた。好奇心は広がり、ヤナギ物語21回シリーズと168枚の映像を発信することができた。
166 ネコヤナギの葉の裏

167. ネコヤナギの不滅の生命力

2018年4月、ネコヤナギに事件が起きた。ショベルカーによって土砂がかぶせられ埋もれてしまったのだ。しかし、絶望と思われた7月14日、土砂の中からネコヤナギが息を吹き返したのである。驚きと感動である。
167 ネコヤナギ不滅の生命力

168. ヤナギの人生にも目を向けてください

ヤナギ類は、早春の白い絹毛で人々を魅了する。ウンリュウヤナギはねじれた茎が花瓶に挿され、シダレヤナギは街路樹で漂う。コウリヤナギは行李の材料として、そして川沿いのヤナギ類は、遥か昔のアイヌモシリでイナウの大切な役割を担ったのである。

人間の日常生活に溶け込んだ「ヤナギ」。「素人でも何とかなりますよ」が私の答えである。一年間、お付き合いをありがとうございました。
168 日常生活に溶け込んだ「ヤナギ」

(おわり)

posted by 忍ちゃん at 19:17| Comment(0) | 植物

2018年11月27日

ヤナギ物語S その他のヤナギ

149. 北海道登別市の太平洋側から見える山並みの中に、標高1000m級の丸味を帯びた山がある。オロフレ(赤い)山である。太平洋側は雲に覆われやすく、その裾野のカルルスは大雨と温泉の名所である。その峠に登山道の入り口がある。
149オロフレ峠から洞爺湖を見る

150. オロフレ山頂に向かう標高約1000mの所で出会ったミネヤナギである。樹高は腰くらいで、ハイマツに混じって観ることができた。黄色の花が目に入り、雄であることが分かった。
150ミネヤナギ

151. ほぼ同じ場所にて

同じ場所で、雌の株を見つけた。背が低く、地を這っている。花が咲くのは下界のヤナギ類よりだいぶ遅い。
151ミネヤナギ

152. シダレヤナギ

冬芽の向きが逆さだが、シダレヤナギは枝が垂れ下がる。逆さに見えるのはそのためだ。さて、この冬芽は雄花?、雌花?
152シダレヤナギは枝

153. シダレヤナギの葉

公園、街路樹などに植えられるのがシダレヤナギだ。この写真は近くの児童公園のものだ。
153シダレヤナギの葉

154. シダレヤナギの雄の樹

雄花、雌花を探すのだが、樹冠の近い所に雄花が見えた。雌花もそうだが、シダレヤナギは数が非常に少ない。
154シダレヤナギの雄の樹

155. シダレヤナギの葉

シダレヤナギの葉である。細身でエゾノカワヤナギに似ている。鋸歯を比較すれば、シダレヤナギの方が刺々しい。しなやかに揺れるシダレヤナギだが、意外である。
155シダレヤナギの葉

156. シロヤナギ

樹皮が白いのでシロヤナギと名前を付けたそうだが、そうは見えない。区別の基準にすると混乱する。巨木が多い。まだ葉が出ない時、樹冠近くの小枝を見て、真っ直ぐ伸びているのがシロヤナギと判断する方が無難だ。意外と多いヤナギである。
156シロヤナギ

157. 雄の冬芽

見た目で分かったのではなく、ず〜と観察していたら、雄花が出たことから、この樹は雄の樹だと分かった。高木であり、下枝は3m位にあり背伸びしても届かない。スキーのストックを持参してその枝を引っ掛け、引き寄せて撮影した冬芽である。
157シロヤナギ雄の冬芽

158. 川の土手で発見

この樹が雌であると分かったのも、冬芽が開花した結果からだ。川沿いには土手がある。土手の近くに生えていたシロヤナギに枝が、土手に延びていた。
158シロヤナギ雌

159. シロヤナギの雄花

雄のシロヤナギと雌のシロヤナギの生育環境は、川を中心に向かい合う土手の川原という関係で、雄の樹の方が土手から10mほど内側の川原だ。また、両方とも、クマイザサの中にあるという点でも共通していた。
159シロヤナギの雄花

160. シロヤナギの雌花

シロヤナギの雌花で、何となく表面に白っぽさを感じる。
160シロヤナギの雌花

161. シロヤナギの葉

雄花が咲かなかった小枝の葉だ。他のヤナギ類のように長身ではない。
161シロヤナギの葉

162. 白さがある

雌の小枝をちょっと拝借。よく見ると、小枝が白く見える。表面が絹毛で覆われている。
162シロヤナギの葉

163. 6月上旬のシロヤナギの葉

並べてみた。季節的にはまだ春である。葉脈にも白い絹毛が密集している。「樹を見て森を見ず」というが、「葉を見て樹を見ず」ということか。シロヤナギと名前を付けたのは、太い幹の白さではなく、小枝の白さを見て付けたのではないかと思った。
163 6月上旬のシロヤナギの葉

(つづく 次回は最終回)

posted by 忍ちゃん at 17:54| Comment(0) | 植物

2018年11月15日

ヤナギ物語R ウンリュウヤナギ

140. 分かりやすい外見
紅葉時、目立つ赤色のカエデ類に目を奪われる。春の緑の森でも黄緑色に映えるドロノキに目が移る。その中に遠くから見てもわかるウンリュウヤナギがある。小枝がねじれているのですぐわかる。他のヤナギに比較し発芽が遅い。このねじれが好まれ、生花に小枝が使われ通販でも購入できるという。その世界では有名だ。
140ウンリュウヤナギの枝

141. 小さい冬芽
冬芽は小さい。赤味を帯びてきたのでそろそろ開花である。雲龍という言葉から原産は中国大陸。明るい場所、しかも川沿いに多い。一度、自然の中のウンリュウヤナギを観て花瓶に生けてみてはいかがでしゅう。
141ウンリュウヤナギの冬芽

142. 雄花
雄花も小さい。
142ウンリュウヤナギの雄花

143. 雌花
雌花も小さい。雌の樹は少ないので貴重な映像だ。雄雌の区別があることを知らないで生けているのではなかろうか。もし知っていたら、作品の意味も異なってくるのではないだろうか。関係ないかな?
143ウンリュウヤナギの雌花

144. 特徴ある葉
葉は、多少スプーン状なので、他のヤナギとは若干異なっている。葉脈もねじれている。ひねくれ者? いやいや、インパクトを与える存在?
144ウンリュウヤナギの小枝

145. 葉脈に注意
葉の中心を通る主脈をよく見ると、やはりねじれている。もしかしたら、風の強い場所が故郷だったのかもしれない。少年を乗せた龍のように空高く舞う正義の味方かもね。
145ウンリュウヤナギの葉

146. ヤナギのイメージがない
葉が密集して見えるのもねじれているからか。ねじれによって効果的な光の吸収を図っているようだ。葉に光沢がある。光を反射させて互いに光のエネルギーを分け合っているのかもしれませんね。省エネのヤナギ?
146ウンリュウヤナギの葉

147. 黒いシミを持つ葉
ヤナギの葉は、葉を落とす前はどれも汚いが、ウンリュウヤナギは黒いシミが特徴だ。老化を素直に表すので私にとっては親しみを覚える。
147ウンリュウヤナギの秋の葉

148. 晩秋のウンリュウヤナギ
まもなく葉が落ちる。龍が雲に向かって登るようだ。雲龍の意味が良くわかる優れものである。
148ウンリュウヤナギ

posted by 忍ちゃん at 08:35| Comment(0) | 植物

2018年10月29日

ヤナギ物語Q イヌコリヤナギ

128. 分かりやすいイヌコリヤナギ

冬芽が対生であるイヌコリヤナギは、春先でも見ればわかる。しかも、枝が紅く目立つ。

よく見ると、対生しながら螺旋状についている。上から見ると、葉が重ならず光を受けるように仕組んでいるのだ。

幹が太く5〜6mの高木のイヌコリヤナギは、めったに出会うことはできない。
128イヌコリヤナギ

129. 対生の乱れ

「対生」というが、他の枝を見ると「互生」もある。冬芽は腋(わき 葉の付け根)に出来る。葉は小枝に螺旋状に出来るのが多いが、その乱れが対生であるという。冬芽が互生なのは、イヌコリヤナギが、その小枝が置かれた事情で互生にしたのだろう。
129イヌコリヤナギ 雌花

130. 雌雄の違いは色で

♂♀の違いは冬芽の芽鱗がとれた時の色で見分けると良い。慣れてくれば、芽鱗が外れた時の絹のような毛がついているのが雄だとわかる。
130イヌコリヤナギ 雄花

131. 鮮やかな色

イヌコリヤナギは葉が生えるのが早そうだ。
131イヌコリヤナギ

132. 雄花の葯

雄花も色鮮やかである。花全体に比較し葯が大きい。
132イヌコリヤナギ

133. 雌花から綿毛が見える

イヌコリヤナギの開花だ。白く見えるのが綿毛で、ここが開いてタネが着いた綿毛が風をキャッチして飛んでいく。
133イヌコリヤナギ

134. 役割を終えた雄花

葯がしおれると黒くなる。
134イヌコリヤナギ

135. 密集した綿毛

不思議です。こんなにも綿毛に覆われた枝があるなんて。イヌコリヤナギには、アワフキムシの泡もついている。時々、間違える時がある。
135イヌコリヤナギ 綿毛

136. 枝の先の赤色が目印

葉も対生である。遠くから見ても、枝先の葉が赤くなっているのがイヌコリヤナギの特徴だ。まだ十分に光合成ができない状態である。
136イヌコリヤナギ 葉

137. きっちりした葉の列

上記の小枝の葉を、下から順に左からジグザグに並べた。小枝の下の葉が小さいのは、昨年、頂芽が伸びて次の年の腋芽を造る時、太陽高度の変化、日照時間長短によって、順序良く冬芽が形成されていることを示している。
137イヌコリヤナギ 葉

138. 腋芽と冬芽

植物のつくりには様々な難しい言葉が出てくる。葉の腋(わき)に出るのを腋芽(えきが)といい、葉が落ちる頃に赤くなる。葉が落ちると冬芽(ふゆめ)という。なぜ落ちるかというと、付け根にコルク状の壁が出来るから。
138イヌコリヤナギ 冬芽

139. 冬芽が出来ていない小枝がある

冬芽のない黒い枝2本(一昨年の枝)と赤い枝1本(昨年の枝)がある。エネルギーの無駄と光の射し具合を勘案し、余計な枝を自ら切り落としていくのである。枝が絡み合うのを防ぎ、全体に光が行き渡りイヌコリヤナギの樹冠が作られていく。
139イヌコリヤナギ 冬芽

posted by 忍ちゃん at 12:16| Comment(0) | 植物