2018年09月13日

ヤナギ物語N ヤナギと防災

106. 橋の架け替え後

9月5日台風21号が来た。翌日午前3時北海道胆振東部地震が起きた。「防災」とヤナギは全く関係がないのではない。道路の法面にヤナギを利用することもある。土砂の崩れを防ぐためだ。ヤナギの生態は一休みしよう。

さて、写真に見える橋は北海道伊達市に流れる気門川の橋。JR伊達紋別駅の直近である。

拡幅工事が行われ、この川に架かる2つの橋が新しくなった(工事終了12年12月)。すでにヤナギ類が繁茂している。いつ根付き始めたのか不明である。
ヤナギと防災

107. 拡幅工事3年後

ヤナギ類は、土地が痩せている所でも生き延びる。この性質を利用し、道路の法面の土砂崩れを防ぐためにヤナギの樹を植える工法もある。ヤナギは利用されたり駆除されたり、人間によって翻弄される。
ヤナギと防災

108. 2017年9月18日台風18号

川周辺に避難勧告が出され、危機一髪のところで水害を免れた。ところが、市内の別な小さな川が氾濫し、その様子がTVで全国放送された。約1年間、住民は迂回道路を利用して街に出かけている。

気象学者らは近年の巨大台風の到来と豪雨は、これからも続くと警告するが、温暖化によって地球全体の水蒸気量が多くなったと、自信がなく口に出しては言えないようだ。
ヤナギと防災

109. 川の浚渫

北海道の管理下に置かれたこの川は、夏前に工事が始まり川底の土砂類が取り除かれた(浚渫しゅんせつ)。グリーンランド・南極の氷床が地球温暖化で融け、莫大な水となり、周辺の海水濃度を薄め、以前よりも軽くなり、深く沈む力が弱くなって、地球全体の海水の循環が鈍くなった(海洋深層大循環)。その結果、赤道周辺の表層海流も減速したため、太陽に照らされた海水温が上昇し、大気に含まれる水蒸気量が多くなったのだ。
ヤナギと防災

110. 台風21号で再び堆積する砂泥

巨大台風がまた北海道にやってきた。時速80kmとスピードを増し、午前3時頃には北海道留萌沖を975hPaで通過した。豪雨を伴ったが、通過が速く不安になるほどのものではなかったが、浚渫直後の川に砂泥が堆積した。関係者にとっては大きなショックである。
ヤナギと防災

111. 河口には砂州が発達する

砂泥は長い年月を通じて堆積し河口を塞ぐものである。満干潮が起きるたびに海に堆積した砂泥を川へと運ぶ。台風の到来で起きる高波は、その運ぶ量をいっそう多くする。住民は覚悟を決めるべきなのかもしれない。
ヤナギと防災

112. いつヤナギが生えるのか

調査・研究のフィールドとしてこの川に興味がわく。ヤナギの種は綿毛をつけて初夏に飛散する。水に浮き上流から下流へと運ばれる。真っ新なこの小さな中州には、いつ、どんなヤナギ類や他の植物が繁茂するだろうか。
ヤナギと防災

(つづく)

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2018年08月29日

ヤナギ物語I エゾノキヌヤナギ1

103. ヤナギ類の観察は苦労する

熱い季節を迎え野草も伸び、ヤナギの観察は背の高い野草を踏み分けて行わなければならない。雨の多い季節はなおさらである。『素人にはヤナギの観察は難しい』と言われるが、関心がないと『難しい』のかもしれない。

エゾノキヌヤナギの綿毛はドロヤナギに次ぐ多さがある。
103エゾノキヌヤナギ

104. 細く厚い葉

図鑑では「披針形の葉で、長さ8〜20cm、全縁、裏面絹毛を密生し銀白色、葉柄は長さ8〜15mm、互生」とある。

バッコヤナギのような分厚さはないが、細身で多少厚く、鋸歯がないのが特徴だ。川辺よりも離れた所に生えているので分かり易い。
104エゾノキヌヤナギ

105. 銀色が特徴

裏面を見てほしい。銀色に光っている。ただ、秋の季節になると、銀色も光を失っているので要注意だ。
105エゾノキヌヤナギ

(つづく)

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2018年08月15日

ヤナギ物語L 親しまれるバッコヤナギA

98. 幅が広い葉

図鑑では「長楕円形、長さ8〜13cm、微細鋸歯縁または全縁、裏面粉白色で、白い縮毛で密生、互生」とある。
バッコヤナギの葉表

99. 裏は毛がある

写真ではわからない白い「縮毛」。ルーペで見るとわかる。
バッコヤナギの葉裏

100. ドロノキの葉が混じる

バッコヤナギの隣りにドロノキがある。そのドロノキの葉がこの写真の中に混じっている。表面の葉の艶の違いや、鋸歯の様子ですぐわかると思う。
バッコヤナギの枝葉

101. 冬芽に注目

秋が深まる頃のバッコヤナギの葉である。バッコヤナギの冬芽は球状・卵形である。来年の春もまた、春の到来を待ち望む人々に真っ白で鮮やかな姿を見せるはずだ。それは、まさしく“バッコ”にふさわしい母への思いと重ねているのではなかろうか。
バッコヤナギの冬芽

(つづく)

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2018年07月29日

ヤナギ物語J 親しまれるバッコヤナギ@

92. 2014年のヤナギ

4月29日は有珠火山の南麓で「山開き」が行われる。4年前、このヤナギをバッコヤナギと言わないでネコヤナギと言った登山者一行の会話を耳にし、私のヤナギの追跡が始まった。もしこの会話を聞いていなければ、ヤナギへの関心はなかったように思う。
92バッコヤナギ

93. 象徴的なバッコの映像

北国の人々は、春の訪れを喜ぶ。特に自然が大好きな人は、バッコの真っ白な絹毛を心待ちにしているものだ。一目で饅頭のような冬芽でバッコだとわかるので、このような映像を発信する。実は私も長流川上流6km地点でバッコを見つけ、ヤナギの門を開くことができたのである。
93バッコヤナギ

94. 望遠レンズが必要だが

バッコヤナギは太い幹から出た枝の上部に雄の樹なら雄花、雌の樹なら雌花が出ている。望遠レンズを使うとその様子が詳しくわかるのだが私は所有していない。足で稼ごうよ。背の低い若いバッコヤナギを見つけることができるものだ。
94バッコヤナギ

95. 綿毛に包まれた雌花

枝の一つを手繰り寄せ接写したのがこれである。真冬の綿毛が残っていた。
95バッコヤナギ真冬の綿毛

96. 役割を終えた雄花

雄のバッコヤナギは花粉を放出した後、役割を終えてしおれてしまう。上のつぼみから若葉が顔を出している。
96バッコヤナギ若葉

97. 雌花の成長

成長を続ける雌花である。すでに実となり膨らんでいる。この膨らみの中に綿毛に包まれたタネが入っている。実が割れ、綿毛が顔を出しているものもある。
97バッコヤナギ実

(つづく)

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2018年07月16日

ヤナギ物語J しなやかに揺れるエゾノカワヤナギA

86. 雄花は落ちる
エゾノカワヤナギの雄雌を、距離を置いて区別できるのはこの時期だ。雄花を落し、何もないのが雄、葉以外の花がついているのが雌である。
86エゾノカワヤナギ

87. 白い綿毛が顔を出す
雌花をよく見ると、実が熟し始め、白い綿毛が顔を出す。
87エゾノカワヤナギ

88. 黄色づく実
緑色から黄ばみ始めると、綿毛が風をキャッチして飛んでいく。タネは非常に小さい。オニグモのバルーニングのように、行くあてもなく風任せである。
88エゾノカワヤナギ

89. 「しなやか」の意味
図鑑では「狭披針形、長さ6〜16p、細鋸歯縁、無毛」など書かれている。触ってみると厚みがなくコピー用紙のように柔らかい。エゾノキヌヤナギは厚みがあり区別できる。「しなやか」と表現したのをご理解願いたい。
89エゾノカワヤナギ

90. 裏側は『無毛』
裏側には毛はない。葉の縁は「細かい のこぎり型」。
90エゾノカワヤナギ

91. 小枝の様々な葉の様子
小枝の葉を、上から順に右側から並べたものである。下に行くほど鋸歯が鋭さを失っている。上の方が新しく出た葉だから、下の方は“老化”したのだろうか。
91エゾノカワヤナギ

(つづく)

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