2019年07月25日

石ころ物語 小幌の石ころ

56. 「秘境駅日本一」のJR小幌駅に列車が到着した。ここは北海道胆振地方の豊浦町で、トンネルとトンネルの間に駅がある。ホームには「旅のノート」が置かれ、思い出がいっぱい綴られている。写真左方向が渡島地方・静狩駅である。かつて金山で賑わった。シャクシャイン軍が上陸した浜もある。小幌駅から降りると約200mに通称「文太郎浜」がある。急いで往復すると、列車に間に合うとあって、駅から走る旅人もいる。
56小幌駅に列車が到着

57. その文太郎浜である。角がとれた丸い石ころがいっぱいある。打ち寄せる波で、「カラ、カラ、カラ…」と音をたてるが、この日は、快晴、風弱く波も穏やか。石ころの音を耳にすることはなかった。
57小幌 文太郎浜

58. 丸い石ころで敷き詰められた海岸である。なぜこうなったか、ご想像にお任せしたい。
58丸い石ころ 小幌

59. 学者さんに衝撃を与えた断崖のトドマツである。樹高約20m。岩礁海岸のクロマツは良く知られているがせいぜい10m。このトドマツは台風にも耐え抜いている。「なぜトドマツが・・・」と疑問を抱き、『新しい土壌観』を学会で発表したという(北海道大学 春木雅寛教授)。
59断崖のトドマツ

60. 水冷破砕岩である(一般にハイアロクラスタイトという)。かつて、この場所が海の中にあった頃(300万年以前)、海の中で火山活動があり、水圧が高い海底では、火口から流れ出た高温のマグマなどが破砕し冷やされ固まってできる。そして、波に削られながら隆起した。
60水冷破砕岩 小幌

61. 有名な小幌洞窟。北大・小杉教授と学生らが発掘調査した遺跡。埋め戻した跡が分かる(入口の白い土嚢)。仏師・円空が、1666年この洞窟で5体の観音像を彫ったと伝えられている。シャクシャイン軍も、その3年後に、この沖を通過している。
61小幌洞窟

62. 小幌洞窟前の石ころだ。海底火山で冷えてできたもの、その時、もっと深い地層から押し出されたもの、陸となった時代、侵食や崩壊でバラバラになって波によって削られたものなど、悠久の時を経て、石ころ一つ一つにその物語が刻まれている。石ころは奥が深い!
62小幌洞窟前の石ころ

(つづく)

posted by 忍ちゃん at 19:10| Comment(0) | 自然・空・海・陸

2019年06月24日

石ころ物語 地球岬の石ころ(2)

48. 観察会の場所は、大昔、海の深い所にあった海底火山が隆起したその山頂部で行われた。標高60m〜100mの範囲に遊歩道が整備され周回コースとなっている。そこを歩いて楽しむというものである。道は赤土だ。
48地球岬遊歩道

49. コース上周辺には針葉樹は1本もない。また、巨木もあまり見当たらない。「岩礁海岸とクロマツ」はセットなのだが、日常の強風か、険しい傾斜によるものか。沿道はクマザサが覆っていた。
49地球岬 散策路 針葉樹無し

50. コースの途中、唯一の小さな沢に架かる橋下に、丸い岩があり、「えっ?」と思ったが、橋を架ける工事の護岸用の「フトン籠」のものだと分かった。大きさから推定すると、川の中流域から持ってきたようである。どこの川だろう?
50地球岬 フトン籠

51. コース上で、二つの石ころを撮影した。岬の先端部の水冷破砕岩(左二つ)と比較してみた。随分、風化している。
51 地球岬 水冷破砕岩 風化

52. コースから見える『最後に貫入した巨大岩脈』である。いく種類もの節理(放射状、柱状、板状)が分かる。その左下に赤茶けた水冷破砕岩が見える。水中での激しい破砕があったようだ。人間のちっぽさを改めて思い知らされる。
52地球岬 最後に貫入した巨大岩脈

53. 、54、55 そんな石ころの上に、人間よりも長い時間をかけた草花が進化しながら生きていて、その草花に人間が癒されているということですね。
53地球岬カタクリ55地球岬フチゲオオバキスミレ
54地球岬 エゾポポ

(つづく)

posted by 忍ちゃん at 17:46| Comment(0) | 自然・空・海・陸

2019年05月27日

石ころ物語 地球岬の石ころ(1)

42. 「森ネット」主催の地球岬の『花の観察会』が行われた。室蘭・地球岬は、2017年11月25日に「ブラタモリ室蘭」で紹介された。船に乗り沖から見たのがこの映像である。登場した山岸宏光・北海道総合地質研究センター理事は、「地球岬は火山の頂上に当たる」と指摘していた。
42地球岬は火山の頂上

43. その山頂がこの写真である。前の写真の大きな岩は、1000万年前、水中火山が噴出した時にできた「水冷破砕岩」で、大きな岩は、最後に出てきた岩脈で、その後、隆起して標高100mの高さになったそうである。地球岬灯台が左の樹の間にかすかに見える。
43地球岬 水冷破砕岩

44. 鳥瞰的に観たのがこの図である。海面下で水冷破砕した地形は、その後、長い年月をかけ隆起し、始めは数個の島が顔を出し、やがて、多くの島が姿を表わし、それらがつながった陸繋島だというのだ。そして、海の砂が堆積し、遂に、北海道の大地とつながったのである。この半島を絵鞆半島(えともはんとう)と呼んでいる
44地球岬 鳥瞰図 

45. 岬の先端に歩いて行くと、石ころがわずかにあった。この半島も岩脈がいくつもあるというし、水冷破砕岩であっても柱状節理になるというから、判断が難しい。
45地球岬の石ころ

46. 、47 手に取りってみた。割ってみた。水冷破砕の第一人者・山岸宏光氏は、水冷破砕しても熱が保たれていればゆっくり冷えるので柱状節理ができる(水冷破砕溶岩)と言い、ここはその様子が分かるそうである。
46地球岬の石ころ
47地球岬の石ころ

posted by 忍ちゃん at 17:27| Comment(0) | 自然・空・海・陸

2019年04月21日

石ころ物語5 伊達市大滝区の丸山の石ころ

31. 伊達市大滝区に徳舜瞥山がある(標高1302m)。急峻であると同時に、5合目に駐車場があり、手軽に登山できるうえ、展望が抜群なので人気の山である。
31徳舜瞥山5合目

32. その山頂に大きな岩がある。徳舜瞥溶岩と名付けられている。主峰がホロホロ火山(1322m)で、直径10kmの範囲内に8つの火山がある。その一つが徳舜瞥山である。その麓は良質の褐鉄鉱が採掘され賑わった。
32徳舜瞥山山頂

33. 昭和29年の地質調査で、この岩は「両輝石安山岩」と判定された。黒く見えるのが輝石。輝石のなかまの「両輝石」という種類と石英が混じった安山岩という意味である。第三紀鮮新世の頃にこの山は形成された。
33両輝石安山岩

34. 徳舜瞥山から西に約6km、丸山(標高555m)がある。昭和29年の地質調査で徳舜瞥山の寄生火山とされた。入植後、木材生産のために、複数の人がこの山を共同経営した。
34円山 南斜面

35. 地元の人から「丸山は本当に火山なのか」と誘いを受け、地主の許可をもらい登ってみた。北斜面の九十九折の道は、まだ残雪が深く、南斜面から藪漕ぎして頂上に辿りついた。
35円山山頂

36. 頂上からの展望である。北海道でも人気の高い徳舜瞥山が見える。恵庭岳も見える。
36円山頂上からの展望

37. 丸山山頂にあった石ころ である。丸山噴火後、近くで黄渓火山、カルルス火山、倶多楽火山が活動し、そのテフラ(火山灰)が標高の低い丸山に降り積もったため、その火山灰に植物が繁茂するという歴史があったようだ。
37丸山山頂にあった石ころ

38. 丸山安山岩の断面 である。多少風化している。「角閃石両輝石石英安山岩」だという。鉱物の角閃石、輝石という鉱物の中の「両輝石」という種類、それに石英が混じった安山岩という意味である。徳舜瞥よりも斑晶が大きく感じられる。ゆっくり固まったのではなかろうか。
38丸山安山岩の断面

39. 40.41九十九折の道に、時々観察される石ころがあった。丸山火山のマグマが固まった安山岩ではなさそうだ。マグマが上昇した時、もともと地下深くにあった変性を受けた岩盤が押し出されてきたのではないかと推測した。
39円山火山の石ころ@
40円山火山の石ころA
41円山火山の石ころB

(つづく)

posted by 忍ちゃん at 17:39| Comment(0) | 自然・空・海・陸

2019年04月09日

石ころ物語4

20. 11万年前に洞爺カルデラ噴火があり、おびただしい火山灰、軽石が降り注いだ。その層の厚さは100mだという。そして館山とよぶ台地を形成した。
20館山と呼ぶ台地

21. 22河口の軽石の景観である。こんな海岸は見たこともない。長流川が洞爺カルデラ堆積物の層を突き破り、軽石もまた海へと流した。そのため内浦湾は浅い海となった。
21河口の軽石の景観22河口の軽石の景観

23. 海岸には、有色の小さな石ころにも出会うが、白い軽石の中に隠れるように少ない。
23有色の小さな石ころ

24. 波は、石ころと砂を見事に分けた。
24見分ける波

25. 青く光る石ころは目立つ。なぜ、青いのか。不思議である。
25青く光る石

26. 大きめの同じような石ころを集めてみた。軽石だが、発泡孔が異なっている。発泡孔とは、マグマが地上に噴出すると、マグマ内の気化する水や二酸化炭素、硫化水素、二酸化硫黄などが、ガスとなって出てくる穴だ。その違いは噴火の激しさを物語っている。
26発泡孔

27. 軽石よりも重さがある。凝灰岩である。よく磨かれている。磨かれる前の石ころの重心が中心にあるほど、波の動きに合わせて回転し球体になったのかと考えてしまう。そう考えると、磨かれる前の形がどんなものか、想像するのが面白い。
27凝灰岩

28. 層がある軽石だ。発泡孔が層に沿ってある。どのようにこの石ころが出来たか悩ましい。白い軽石と比較してちょっと重い。
28層がある軽石

29. 饅頭形の石ころがある。砂の研磨剤は無尽蔵にある。研磨する海水の力の動きを止めることはない。どのように回転し削られるのか不思議でならない。硬い石ころは、あと何年すれば球体になるのかな?
29饅頭形の石ころ

30. 小さい硬い石ころ。もとは大きな石ころだった。豪雨のたびに動かされ、削られて軽くなり、また豪雨によって動かされ、そして河口にやってきた。旅立ちはどこからだろう。
30小さい硬い石ころ

posted by 忍ちゃん at 14:41| Comment(0) | 自然・空・海・陸