2019年04月21日

石ころ物語5 伊達市大滝区の丸山の石ころ

31. 伊達市大滝区に徳舜瞥山がある(標高1302m)。急峻であると同時に、5合目に駐車場があり、手軽に登山できるうえ、展望が抜群なので人気の山である。
31徳舜瞥山5合目

32. その山頂に大きな岩がある。徳舜瞥溶岩と名付けられている。主峰がホロホロ火山(1322m)で、直径10kmの範囲内に8つの火山がある。その一つが徳舜瞥山である。その麓は良質の褐鉄鉱が採掘され賑わった。
32徳舜瞥山山頂

33. 昭和29年の地質調査で、この岩は「両輝石安山岩」と判定された。黒く見えるのが輝石。輝石のなかまの「両輝石」という種類と石英が混じった安山岩という意味である。第三紀鮮新世の頃にこの山は形成された。
33両輝石安山岩

34. 徳舜瞥山から西に約6km、丸山(標高555m)がある。昭和29年の地質調査で徳舜瞥山の寄生火山とされた。入植後、木材生産のために、複数の人がこの山を共同経営した。
34円山 南斜面

35. 地元の人から「丸山は本当に火山なのか」と誘いを受け、地主の許可をもらい登ってみた。北斜面の九十九折の道は、まだ残雪が深く、南斜面から藪漕ぎして頂上に辿りついた。
35円山山頂

36. 頂上からの展望である。北海道でも人気の高い徳舜瞥山が見える。恵庭岳も見える。
36円山頂上からの展望

37. 丸山山頂にあった石ころ である。丸山噴火後、近くで黄渓火山、カルルス火山、倶多楽火山が活動し、そのテフラ(火山灰)が標高の低い丸山に降り積もったため、その火山灰に植物が繁茂するという歴史があったようだ。
37丸山山頂にあった石ころ

38. 丸山安山岩の断面 である。多少風化している。「角閃石両輝石石英安山岩」だという。鉱物の角閃石、輝石という鉱物の中の「両輝石」という種類、それに石英が混じった安山岩という意味である。徳舜瞥よりも斑晶が大きく感じられる。ゆっくり固まったのではなかろうか。
38丸山安山岩の断面

39. 40.41九十九折の道に、時々観察される石ころがあった。丸山火山のマグマが固まった安山岩ではなさそうだ。マグマが上昇した時、もともと地下深くにあった変性を受けた岩盤が押し出されてきたのではないかと推測した。
39円山火山の石ころ@
40円山火山の石ころA
41円山火山の石ころB

(つづく)

posted by 忍ちゃん at 17:39| Comment(0) | 自然・空・海・陸

2019年04月09日

石ころ物語4

20. 11万年前に洞爺カルデラ噴火があり、おびただしい火山灰、軽石が降り注いだ。その層の厚さは100mだという。そして館山とよぶ台地を形成した。
20館山と呼ぶ台地

21. 22河口の軽石の景観である。こんな海岸は見たこともない。長流川が洞爺カルデラ堆積物の層を突き破り、軽石もまた海へと流した。そのため内浦湾は浅い海となった。
21河口の軽石の景観22河口の軽石の景観

23. 海岸には、有色の小さな石ころにも出会うが、白い軽石の中に隠れるように少ない。
23有色の小さな石ころ

24. 波は、石ころと砂を見事に分けた。
24見分ける波

25. 青く光る石ころは目立つ。なぜ、青いのか。不思議である。
25青く光る石

26. 大きめの同じような石ころを集めてみた。軽石だが、発泡孔が異なっている。発泡孔とは、マグマが地上に噴出すると、マグマ内の気化する水や二酸化炭素、硫化水素、二酸化硫黄などが、ガスとなって出てくる穴だ。その違いは噴火の激しさを物語っている。
26発泡孔

27. 軽石よりも重さがある。凝灰岩である。よく磨かれている。磨かれる前の石ころの重心が中心にあるほど、波の動きに合わせて回転し球体になったのかと考えてしまう。そう考えると、磨かれる前の形がどんなものか、想像するのが面白い。
27凝灰岩

28. 層がある軽石だ。発泡孔が層に沿ってある。どのようにこの石ころが出来たか悩ましい。白い軽石と比較してちょっと重い。
28層がある軽石

29. 饅頭形の石ころがある。砂の研磨剤は無尽蔵にある。研磨する海水の力の動きを止めることはない。どのように回転し削られるのか不思議でならない。硬い石ころは、あと何年すれば球体になるのかな?
29饅頭形の石ころ

30. 小さい硬い石ころ。もとは大きな石ころだった。豪雨のたびに動かされ、削られて軽くなり、また豪雨によって動かされ、そして河口にやってきた。旅立ちはどこからだろう。
30小さい硬い石ころ

posted by 忍ちゃん at 14:41| Comment(0) | 自然・空・海・陸

2019年03月16日

石ころ物語3 河口の石ころ@

13. 石ころに興味がある人は川岸に行くと良い。そこには余るほどの石ころがあるからだ。しかし、その川岸に行くのがそう簡単なことではないのだ。だったら簡単な海に行けばいいかというと海には石ころがない。
北海道伊達市を流れる長流川(おさるがわ 2級河川 アイヌ語のオ・サ・ぺッ→川尻に葦原がある川の意)の河口である。白く見える石ころは軽石だ。13長流川河口の軽石

14. 潮の満ち引きは、辿りついた石ころたちを揺らし、悠久の時間をかけて磨き、やがて砂から泥へと変化させる。そして、再び、堆積岩として生まれ変わる。自然界の輪廻である。時にはウエーブ・リップルという芸術品をつくるから面白い。14ウエーブ・リップル

15. 河口の変化に興味を抱いた私は、2004年頃から、時々、徒歩や自転車でやって来てはメモや写真におさめるようになったが、それでは飽き足らず、足を使って測定するようになった。その結果、砂州の形が違ってくるのを知り、病み付きとなった。
15長流川河口の砂州変化

16. 砂州の伸び方は、台風の進路が襟裳側か、奥尻島側かによって大きく変わる。強風が東風か、西風化によって、高波の向きが変わり、運ばれた砂が砂州を大きく変形させるのである。やがて、観察・記録の精度と信頼性を高めるために、月齢、時刻も考慮に入れ、自宅出発時刻を決めるようになった。16長流川河口砂州観察メモ

17. 月齢は図17とは異なっているが、同じ「大潮」である。形状がこんなにも異なっているのは台風の影響である。このような時の石ころは、運ばれた砂に埋もれあまり見ることができない。
高波に運ばれた砂は波打ち際で叩きつけられ、波が引く時に、砂浜は海水を吸収する働きがあるので、砂が残り結果として堆積していく。カモメやカラスはこの原理を知り、高波になると海岸に集まり、強風の中で食い物を見つけるのだ。17長流川砂州観察メモ台風後

18. 「小潮」で「干潮」時刻です。歩数でどのように描くか、その例を示しました。砂浜の固さは一様ではなく、また、凹凸もあり、1歩73cm(歩きやすい砂)、同70cm(やや歩きにくい砂)、同68cm(歩きにくい砂)にランク付けして距離を出している。川幅など、測定不可能な距離は、砂浜にある石ころを投げ(手で握れる大きさ 無理のない投てきで約20m)、この経験値をもとに導いている。GPSがあれば容易だが、しかし歩く距離はあまり変わらない。
18長流川観察メモ 観察法

19. 投てきに使う石ころである。永い旅を終えた石ころだ。大雨で運ばれたのではないか。風化して白くなったのはチョウセキか?穴が開いているが、噴火の際の発砲した穴なのか、それとも鉱物が取れ落ちたのかわからないが、軽石とは異なり重いので道具の一つとして使っている。方位計と巻尺をポケットに、バインダーとボールペンを持ち、カメラをぶら下げて歩数を数える観察・記録である。19長流川河口砂州観察メモ 道具

(つづく)

posted by 忍ちゃん at 11:14| Comment(0) | 自然・空・海・陸

2019年02月14日

石ころ物語2 我が家の石ころ

6. 昭和新山の石ころはレンガに例えられる。昭和新山は900℃前後のマグマが地表に出て、含まれる鉄が酸化し赤くなりました。天然のレンガです。
6昭和新山の石ころ

7. 江別のレンガです。我が家の玄関の壁と床はレンガです。天然のレンガより丈夫です。江別の粘土をブロック型にして約1000℃前後で焼いて出来上がります。1300℃の高温で焼くレンガや瓦もあります。石州瓦が有名ですね。赤色とは限りません。
7江別のレンガ

8. 物干し竿の支えブロックに石ころを見つけた。丸味がある。使用30年。
8物干し支えの中の石ころ

9. 家の周りに敷き詰めた石ころは角ばっている。採石場で粉砕されたようだ。安山岩。
9砕石された安山岩

10. 新築時は野草は生えず手間がかからなかったが、20年も過ぎると、次第に石ころが土の中に沈み、また、細かな砂が覆いかぶさり、日陰の所はコケが侵入し、そのコケの間からカタバミが入り込み、ツメクサ、トキンソウなどの野草もやって来る。土台の所にはツルマンネングサ(ベンケイソウ科)が広がる。
10風化が進む石ころ

11. 玄関と舗装道路の間に側溝の蓋の石ころ。丸味のある石ころと、角ばった石ころが混じっている。蓋と蓋との間に出てくる野草には、オオバコ、セイヨウタンポポ、ミチヤナギ、メヒシバ、スズメノテッポウなどしたたかだ。
11側溝の石ころ

12. 舗装道路の小さな石ころである。角ばっている。北海道の高速道路の舗装道路は、雪と、雪解け水と、夜、凍りつくことから、融雪剤が撒かれている。水を吸収する舗装道路の研究が行われているので、高速道を走っていると、所々で舗装の様子が違っているのに気づく。
12舗装道路の石ころ

posted by 忍ちゃん at 14:52| Comment(0) | 自然・空・海・陸

2019年01月08日

石ころ物語1 プロローグ

1. ヤナギ観察で川沿いに行くと、ある時、ボール状の石を見つけました。手に取り驚きました。ズシリと来たのです。もしかしたら・・・鉄が含まれる?と思いました。あたりを見回すとボール状の色の異なる石があるのに気がつきました。専門家は「円礫」と言うそうです(以下 円礫)。
1円礫

2. この川は、北海道伊達市に流れ込む長流川です(おさるがわ 2級河川)。全長50kmで、千歳市との境の山のふところに源があります。

重いと感じた円礫は河口から4km。下流と言ってもいいのですが、円礫の大きさから中流域ではないかと思います。

長流川とは、アイヌ語の「オ・サ?・ぺッ」(川尻に葦原がある川)で、これに漢字をあてはめました。アイヌ民族の保護に努めていた証です。先人の研究者に拍手です。
2北海道伊達市に流れ込む長流川

3. 角のある石ころです。しかも、赤く色づいています。実は線路の石ころ。地元の岩石を粉砕して詰めたのでしょう。安山岩です。粉砕できやすく、また、長持ちするので重宝がられています。その点で有珠山の安山岩は、今も、室蘭港から釜石、八戸、久慈、陸奥、気仙沼などに積み出されています。
3有珠山の安山岩

4.   9月6日午前、北海道全域でブラックアウトという停電に見舞われました。ところがこの踏切では、遮断機が下りたまま、停電なのに警報音が鳴り続け、頭に来た住民たちがJRに電話し、数時間後にやっと鳴り止んだのでした。

実はこの線路は、街をうろつくエゾシカの絶好のけもの道となり、時々人間を惑わせている。何とものどかな北国の隠れた石ころ物語である。
4線路の石ころ

5.   墓石は石ころとは言えませんが石の一つ。都会の墓苑のすごい賑わい。そしてアスファルトの中にも、コンクリートの中にも小さな石ころが混じり、私たちはそれに気づかず歩いている。昔々人類は、石を道具にすることに驚き、今度は、粘土を石に出来たことに感激したのです。そして今、私たちの周りは石ころだらけとなりましたが、なぜか石には関心がない。不思議です。
5墓石

(つづく)

posted by 忍ちゃん at 18:11| Comment(0) | 自然・空・海・陸